相続財産は、被相続人が残した財産や負債をすべて含みますが、これをプラスの財産とマイナスの財産に分けて考えます。
プラスの財産(積極財産)
プラスの財産とは、相続人が相続することで得られる資産です。具体的には、次のようなものが含まれます。
- 不動産(土地、建物など)
- 預貯金
- 株式や投資信託などの有価証券
- 自動車
- ゴルフ会員権
- 動産(家具や家電、骨董品、貴金属、美術品など)
- 生命保険
- 債権
- その他の資産(会社の株式など)
プラスの財産は、通常、相続人が相続することになります。遺産分割協議によって相続人間で分割して承継されます。
マイナスの財産(消極財産)
マイナスの財産とは、被相続人が残した負債や債務のことです。相続人は、これらの負債についても相続しなければならない場合があります。具体的には、以下のようなものがマイナスの財産に含まれます。
- 借金(住宅ローン、カードローン、消費者金融など)
- 未払いの税金(所得税、相続税、住民税など)
- 未払いの光熱費や家賃(公共料金や住居費など)
- 保証債務(第三者の借金を保証している場合)
- その他の債務(取引先への支払い残高など)
プラス財産とマイナス財産の取り扱い
相続財産にはプラスとマイナスがあるため、相続人がどのようにこれらを引き継ぐかが問題になります。
相続人は、プラスの財産を受け継ぐ一方、マイナスの財産についても引き継ぐことになります。つまり、被相続人が残した負債についても相続人が負担しなければならないことになります。
相続する財産の中にマイナスの財産が含まれている場合、それを相続した場合の総額がマイナスになってしまうこともあります。そのため、相続人が負担する負債の額を慎重に確認することが重要です。
相続放棄をして財産を承継しない
被相続人が残した負債が多額にわたり、相続財産がマイナスになりそうな場合、相続人は相続放棄をすることができます。相続放棄をすると、その相続人は相続人としての権利も義務も一切なくなります。つまり、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないことになります。
相続放棄の申し立ては、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所で手続きが必要です。
相続人が受け継ぐ財産の範囲内で負債を負う限定承認
相続人は限定承認を選ぶこともできます。これは、相続人が受け継ぐ財産の範囲内で負債を負う方法です。たとえば、相続財産がプラスの財産が500万円で、負債が300万円の場合、相続人は500万円を限度として負債を支払うことができます。
限定承認をする場合も、家庭裁判所への申立てが必要で、相続放棄と同様に3か月以内に申し立てる必要があります。
相続財産の清算
相続手続きの中で、プラスの財産とマイナスの財産を相殺して相続人の負担を決めることになります。遺産分割協議や相続税の申告手続きのなかで、負債や資産の評価をして、相続財産の総額を確定するのです。最終的には相続人間の協議によって決定します。
