相続手続きは、不動産の相続登記や預貯金の名義変更が完了すれば一区切りですが、それで完全に終わりではありません。相続完了後の管理を怠ることで、将来大きなトラブルに発展することがあります。特に令和以降は、空き家問題の深刻化や法律改正が進んでおり、相続した不動産をどう管理するか、放置せず適切に対応できるかが、相続人にとって重要な責任となっています。
相続登記義務化について、こちらで詳しく説明しています。
https://souzoku-mima.com/registration_obligation/
継続的な不動産の管理
不動産を相続した人は、その日から管理責任が生じます。使用していない不動産でも、倒壊や雑草の繁茂による近隣トラブル、害虫の発生など、管理を怠ると行政から指導される可能性があります。
また、固定資産税は所有している限り必ず発生します。
不動産が複数ある場合は、課税明細書を確認し、どの土地建物にどの程度の税金がかかっているか把握しておくことが大切です。
特に空き家問題は全国で顕著ですが、越谷市でも高齢化・転出などにともない、空き家が増加傾向にあります。老朽化した空き家を放置すれば、固定資産税の優遇を受けられなくなる「特定空家」に指定されるリスクもあるため、相続後の管理は必須です。
不動産の売却を検討する際の注意点
使用予定がない、維持管理が難しいなどの理由で売却を検討するケースは多くあります。
特に共有名義のまま売却する場合は、相続人全員の同意が必要であり、意思統一が難しいケースもあります。場合によっては遺産分割協議のやり直しが必要になることもあります。
相続した不動産を持ち続ける場合のリスクと対策
管理コストがかかります
固定資産税・修繕費・保険料など、維持するだけで毎年お金がかかります。
共有名義の問題
複数人の共有名義は、次の世代の相続で共有者がさらに増えていき、問題が複雑化しやすいです。できれば早めに単独名義への変更(持分の買取りなど)を検討することが望ましいです。
空き家リスク
建物の老朽化が進めば、放置するほど価値が下がります。越谷市でも空き家対策が進んでおり、放置すると行政指導の対象になる可能性があります。
銀行口座・保険・契約関係が完全に終了しているかチェック
相続手続きが煩雑で、気づかないまま契約が残っていることは珍しくありません。
よくあるケースは、利用頻度が極端に少ない銀行のサブ口座を放置していた、生命保険の住所変更漏れ、定期購読や定額制サービスの解約忘れなどです。
相続完了後に使っていない引き落としが発生したり、カードの年会費が請求され続けるなどのトラブルが起きやすいため、手続き完了後はすべての契約情報を整理することが大切です。
自身の将来のために遺言を検討しましょう
相続手続きが完了したタイミングは、実はご自身の相続の準備を考えるよい機会です。
遺言があるだけで、次の世代は手続きが格段にスムーズになります。相続人間の争いを防ぐ最も有効な方法です。
遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などいくつか種類がありますが、どれにも法律上の厳格なルールが定められています。たとえば自筆遺言であれば全文を自書し、日付と署名、押印が必要です。ほんのわずかな不備で無効となるケースは珍しくなく、「せっかく遺言を書いたのに、何も効力がなかった」という残念な結果になってしまうこともあります。
また、財産の書き方や相続人との関係性によっては、意図せず争いの火種になることもあります。将来の相続が円滑に進むようにするためには、ご自身の状況に合った遺言書の作成方法を選び、専門家のアドバイスを受けながら作成することが最も確実で安心です。
司法書士は、相続登記だけでなく、戸籍収集、遺産分割協議のサポート、遺言の作成を最後まで完了させるための実務を幅広く担う専門家です。相続が発生したときはもちろん、相続後の管理や将来のための遺言書作成についても、お気軽に相談いただければ、大きな安心につながります。
