相続とは
相続とは、亡くなった方の財産を配偶者や子などが相続人となって引き継ぐことです。相続は被相続人が亡くなったことにより当然に発生し、自動的に相続人に受け継がれることを意味しますが、相続人が複数人いたり、相続財産がプラスの財産だけでなく負債などのマイナスの財産も対象となります。相続の手続きは相続人にとって大きな負担となる場合もあるため、早めに取り掛かることが重要です。
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相続とは
相続について、民法の法文をもとに解説します。はじめて相続をする方に向けた解説をしていますので、できるだけわかりやすい言葉で表現するようにしています。当事務所は相続・遺言・相続放棄を専門とした司法書士・行政書士事務所です。相続をするにあたって、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。 相続とは ある人が亡くなったとき、その人の財産や権利・義務を残された家族や親族などが受け継ぐ…
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相続権や相続財産を回復する権利
相続回復請求権 不当に相続権を奪われた正当な相続人が、その相続権や相続財産を回復するために行使できる権利を相続回復請求権といいます。 第884条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年を経過したときも、同様とする。 相続回復請求権の意義 本条は、相続回復請求権が…
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相続の効力
相続の効力とは、被相続人の財産や権利・義務が相続人にどのように移転されるか、その影響や法律的な効力が発生することです。相続の効力には、法律で定められた権利義務の承継や、相続人の権利の範囲、相続財産の分割などが含まれます。 相続の一般的効力 第896条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。 …
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共同相続の効力
共同相続の効力 第898条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。 本条は、相続の開始から遺産分割までの共同相続人間の関係についてを定めています。 相続人が一人の場合は、被相続人の相続財産は単独で承継します。しかし相続人が複数人いる場合には、相続財産を全員が共有することになります。 遺言を残さなかった場合や遺言に残されていない相続財産がある場合は、遺産分割…
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相続人が受け取る財産の割合
相続分とは 相続が発生した際に相続人が受け取る財産の割合を相続分といいます。相続分は法律で定められている「法定相続分」と、被相続人の意思による「指定相続分」の2種類があります。相続分の割合は相続人の関係性や人数によって異なり、遺産分割の際に基準として用いられます。 法定相続分 第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めることによる。 一 子及び配偶…
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預貯金の相続
銀行や郵便局などの預貯金は代表的な財産のため、ほとんどのケースで相続人同士で分割することになります。しかし原則として本人、または代理人しか預貯金口座から引き出すことができませんので、所定の手続きで相続人名義に変更しなければなりません。 被相続人の口座の凍結 被相続人が亡くなった際に、被相続人が名義人である口座の金融機関に連絡し、死亡した事実を伝えなければなりません。金融機関に連絡をす…
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土地・建物などの不動産の相続
不動産の相続は、被相続人が所有していた不動産(土地や家、マンションなど)を相続人が引き継ぐ手続きです。不動産の相続には遺産分割や登記など、重要な手続きがあります。 いわゆる相続トラブルの原因にもなりやすいのが不動産で、物理的な分割が難しいという問題もあります。相続人が多数にわたる場合は特に注意が必要です。 また、不動産を相続することによって、維持費や固定資産税などの経費がかかることも…
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祭祀財産の相続
祭祀財産の相続については、通常の相続財産とは異なる取り扱いがされます。民法では、祭祀財産の取り扱いについて特別な規定があります。 祭祀財産の相続 第897条1.系譜、祭具および墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って、祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。2.前項本文の場合において慣習が明…
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相続におけるプラスの財産とマイナスの財産
相続財産は、被相続人が残した財産や負債をすべて含みますが、これをプラスの財産とマイナスの財産に分けて考えます。 プラスの財産(積極財産) プラスの財産とは、相続人が相続することで得られる資産です。具体的には、次のようなものが含まれます。 不動産(土地、建物など) 預貯金 株式や投資信託などの有価証券 自動車 ゴルフ会員権 動産(家具や家電、骨董品…
相続人
被相続人(亡くなった方)の財産を受け継ぐ人を相続人と呼びます。相続人は配偶者や子などの法定相続人だけでなく、被相続人が生前にのこした遺言書で相続人が定められている場合もあります。法定相続人として定められているのは配偶者と血族です。配偶者は常に相続人となり、血族は子や直系尊属(被相続人の上の世代である父母・祖父母など直系の血縁がある者)、兄弟姉妹が相続人と認められます。
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相続人調査と相続人の確定
相続が発生すると、相続人のあいだで遺産分割をすることになります。その際にとても重要なのが相続人の調査です。相続の手続きをするには、どのような相続人がいるかを調査して相続人を確定しなければなりません。相続人調査をしないと、遺産分割の際にトラブルが発生するおそれがあり、家族の不仲やさらには訴訟問題など、大きな紛争へとつながってしまうかもしれません。そのようなトラブルの原因を最大限に回避できるよう、相…
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財産を相続できる法定相続人
法定相続 法定相続とは、民法で定める法定相続制に則って、相続人の範囲や順位、割合などにしたがって、被相続人(亡くなった人)の財産を承継することです。遺言書がのこされていない場合には、この法定相続制に則った分割で協議されます。 法定相続人 被相続人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人の相続の順位は、第一に子、第二に直系尊属(父母や祖父母など)、第三に兄弟姉妹、と定めています…
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配偶者の相続権
配偶者の法定相続分 配偶者は被相続人(亡くなった人)の配偶者であれば必ず相続人となります(民法890条)。婚姻の死亡解消に際して相続という方法で、財産関係の清算をするというものです。配偶者が受け取る遺産の割合(法定相続分)は、被相続人に他の相続人がいるかどうかによって異なります。 民法第890条被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第887条又は前条の規定により相続…
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内縁関係の相続
内縁関係の相続については、法律上の婚姻関係がないため、民法では内縁の配偶者に相続権は認められていません。ただし、特定の条件や方法を用いることで、内縁の配偶者が財産を取得できる可能性もあります。 内縁関係とは 内縁関係とは、法律上の婚姻手続きをしていないものの、事実上夫婦として共同生活を営んでいる関係を指します。法律上の「配偶者」とはみなされないため、相続においては法定相続人として扱わ…
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