財産の行き先は必ずしも相続人だけとは限りません。
近年では、自分の財産の一部を社会のために役立てたいと考え、寄付という形で財産を使うことを検討する方も増えています。教育、福祉、医療、文化など、さまざまな分野で寄付が社会を支える仕組みとなっています。
生前に行う寄付とは
生前に行う寄付とは、本人が生きている間に、国や地方公共団体、公益法人などに対して金銭や財産を提供することをいいます。
寄付は、教育や文化の振興、社会福祉の充実など、公益的な目的のために活用されます。
財産を家族に残すという選択だけでなく、社会に還元するという考え方も、近年では広く知られるようになってきました。
寄付金控除という税制
一定の団体に対して寄付を行った場合には、税制上の優遇を受けることができます。
これを寄付金控除といいます。寄付金控除とは、寄付した金額の一部を所得から差し引くことができる制度です。控除の対象となる寄付は、特定寄付金と呼ばれています。
特定寄付金に該当する寄付としては、たとえば次のようなものがあります。
- 国や地方公共団体に対する寄付
- 公益社団法人や公益財団法人への寄付
- 認定NPO法人への寄付
- 教育や科学、文化の振興などを目的とする団体への寄付
これらの団体に対して行った寄付は、税制上の優遇措置の対象となる場合があります。
特定寄付金とは
特定寄付金とは、税制上の控除を受けることができる寄付のことをいいます。ただし、すべての寄付が対象になるわけではありません。
寄付した人に特別な利益が生じるようなものは、特定寄付金には該当しないとされています。
たとえば、学校への入学の見返りとして行う寄付などは、特定寄付金とは認められない場合があります。
このような寄付は、税制上の控除の対象とはならないことがあります。そのため、寄付を行う際には、その寄付が特定寄付金に該当するかどうかを確認することが重要になります。
寄付の対象となる主な団体
寄付の対象となる団体には、さまざまなものがあります。
代表的なものとしては次のような団体があります。
- 国や地方公共団体
- 公益社団法人・公益財団法人
- 社会福祉法人
- 学校法人
- 認定NPO法人
これらの団体は、教育、文化、福祉などの公益目的の事業を行う団体として位置づけられています。
そのため、こうした団体に対して行われた寄付については、一定の要件を満たす場合に寄付金控除の対象となることがあります。
財産を寄付するという選択
相続対策というと、どうしても財産を誰に残すかという意識で考えることが多いと思います。しかし、財産の使い道にはさまざまな選択肢があります。
社会のために寄付をする、公益活動に役立てるといった選択肢もあるのです。
ただ、生前にする寄付と、遺言によってする寄付(自身の死後にされる寄付)とでは、制度や税制の取扱いが異なります。
寄付は、相続人がいない場合だけに検討されるものではありません。
自分の意思で財産の一部を社会に役立てたいと考える場合にも、選択肢の一つとなります。
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