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相続は越谷の美馬克康司法書士・行政書士事務所 相続ガイド《遺産分割協議に参加できる人》

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遺産分割の基礎知識

被相続人の死亡によって相続財産を相続人が承継する相続の制度。相続人間で被相続人の財産をどのように承継していくのか、遺産分割の基礎を司法書士の視点で解説しています。

01遺産分割協議に参加できる人

相続が発生すると、遺産をどのように分けるかを話し合う遺産分割協議が行われます。しかし、誰でもこの話し合いに参加できるわけではありません。遺産分割協議に参加できるのは、法律上「相続人」と認められる人だけです。

反対に、本来相続人である人が一人でも参加していなければ、その協議は原則として無効になります。そのため、遺産分割を始める前に最初に行うべきことは、「誰が相続人なのか」を正確に確定することです。

実際の相続手続きでは、財産を調べる前に相続人を調査することが重要視されます。相続人が確定しないまま話し合いを進めると、後になって新たな相続人が判明し、遺産分割協議を最初からやり直さなければならないケースも少なくありません。

法律上の相続人は大きく二種類

法律上の相続人は、大きく分けると次の二つです。

  • 配偶者相続人
  • 血族相続人

この二つは役割が異なります。

まず、配偶者相続人とは、亡くなった人と法律上婚姻していた配偶者をいいます。一方、血族相続人とは、子、親、兄弟姉妹など、血縁関係にある親族を指します。この二つを区別して考えることが、相続の基本になります。

配偶者は常に相続人になる

配偶者には他の親族とは異なる特徴があります。それは、法律上の婚姻関係が続いている限り、常に相続人になるということです。

たとえば、亡くなった人に子どもがいても、両親が健在でも、兄弟姉妹がいても、配偶者は必ず相続人になります。これは相続順位とは関係ありません。相続順位が問題になるのは血族相続人だけであり、配偶者には順位という考え方はありません。
そのため、相続人を考える際には、まず配偶者がいるかどうかを確認し、そのうえで血族相続人を検討するという順序になります。

法律上の配偶者だけが相続人

ここで注意しなければならないのが、配偶者という言葉の意味です。相続でいう配偶者とは、法律上の婚姻届を提出している夫または妻を指します。

長年一緒に生活していたとしても、婚姻届を提出していない内縁関係では、原則として相続人にはなりません。
また、以前に婚姻していても、離婚が成立していれば元夫や元妻は相続人ではありません。
実際には、「何十年も連れ添ってきたから当然相続できる」と思われることがありますが、法律上は生活実態ではなく婚姻関係の有無によって判断されます。

この点は誤解が多く、相続相談でもよく質問される部分です。

血族相続人には順位がある

配偶者とは異なり、血族相続人には相続順位があります。すべての親族が同時に相続人になるわけではなく、法律で定められた順位に従って相続人が決まります。
順位は次のとおりです。

  • 第一順位 子などの直系卑属
  • 第二順位 父母などの直系尊属
  • 第三順位 兄弟姉妹

重要なのは、上位の順位に相続人がいる場合は、下位の順位の人は相続人にならないということです。

たとえば、子どもが一人でもいれば、父母や兄弟姉妹は相続人になりません。子どもがいない場合に初めて父母が相続人となり、子どもも父母もいない場合に兄弟姉妹が相続人になります。
つまり、順位は全員が並ぶ順番ではなく、誰が相続人になるかを決める優先順位なのです。

相続人の確認は戸籍で行う

誰が相続人になるのかは、家族の記憶だけでは判断できません。前婚で子どもがいるケース、認知した子どもがいるケース、養子縁組をしているケースなど、見た目では分からない事情があることも珍しくありません。
そのため、実際の相続手続きでは、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を収集し、法律上の相続人を確認します。戸籍をたどることで初めて、すべての相続人を漏れなく把握することができます。

相続人の一人でも漏れてしまえば、遺産分割協議はやり直しになる可能性があります。だからこそ、司法書士などの専門家も、最初に相続人の調査から着手します。

相続手続きは財産を分けることばかりに目が向きがちですが、その前提となるのは「誰が相続人なのか」を正確に確定することです。遺産分割協議を円滑に進めるためにも、まずは法律上の相続人を正しく理解することが重要になります。

02法定相続人の順位

相続人には配偶者相続人と血族相続人がありますが、血族相続人は全員が同時に相続人になるわけではありません。民法では、血族相続人に優先順位が定められており、順位の高い人がいる場合には、順位の低い人は相続人にならない仕組みになっています。

第一順位は子どもなどの直系卑属

血族相続人の第一順位は、子どもなどの直系卑属です。直系卑属は、亡くなった方から見て下の世代にあたる子や孫などをいいます。

相続では、子どもが一人でもいれば、その子どもが第一順位の相続人になります。

  • 配偶者と子ども2人
  • 配偶者と子ども1人
  • 子どものみ

このようなケースでは、子どもが相続人となり、父母や兄弟姉妹は相続人にはなりません。親より子が優先されると考えると分かりやすいでしょう。

子どもがいない場合は父母などが相続人

亡くなった方に子どもや孫などの第一順位の相続人がいない場合には、第二順位の人が相続人になります。
第二順位は、父母や祖父母などの直系尊属です。直系尊属とは、亡くなった方から見て上の世代にあたる親族をいいます。

一般的には父母が相続人になりますが、父母がすでに亡くなっている場合には祖父母へと相続権が移ります。

  • 配偶者と父母
  • 父のみ
  • 母のみ

このようなケースでは、第二順位の相続人として相続に参加します。
一方、父母が相続人になる場合には、兄弟姉妹は相続人にはなりません。

子どもも父母もいない場合は兄弟姉妹へ

第一順位も第二順位もいない場合には、第三順位の兄弟姉妹が相続人になります。

  • 子どもがいない
  • 父母もすでに亡くなっている

このような場合には、兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹が複数いる場合には、全員が相続人になります。

また、兄弟姉妹の一人がすでに亡くなっている場合には、その子どもが代わって相続人になることがあります。

相続順位は同時に存在するものではない

相続順位について誤解されやすいのが、子どもも親も兄弟姉妹も全員が相続人になると考えてしまうことです。
しかし、実際にはそのようなことはありません。

たとえば、子どもが一人でもいれば、その時点で第二順位と第三順位の人は相続人にはなりません。
また、子どもがいなくても父母が健在であれば、兄弟姉妹は相続人になりません。つまり、相続順位は順番に繰り上がる仕組みです。

順位の高い人がいなければ次の順位へ進みますが、上位の順位に相続人がいる限り、それより下の順位に相続権が移ることはありません。

家族構成によって相続人は変わる

実際の相続では、家族構成によって相続人が変わります。

事例1

夫が死亡、妻が健在、子は二人

この場合は、妻と子ども2人が相続人になります。父母や兄弟姉妹は相続人ではありません。

事例2

夫が死亡、妻が健在、子はいない、夫の父母が健在

この場合は、妻と夫の父母が相続人になります。夫の兄弟姉妹は相続人になりません。

事例3

夫が死亡、妻が健在、子はいない、夫の父母は死亡、夫の兄と妹が健在

この場合は、妻と兄、妹が相続人になります。


以上の事例のように、家族構成が少し違うだけで、相続人となる人は大きく変わります。そのため、うちは子どもがいないから妻が全部相続するだろう、兄弟とは何年も会っていないから関係ないだろうと考えてしまうのは危険です。
法律に照らして相続人を確認しなければ、思わぬ人が相続人となることもあるのです。

03法定相続分とは|相続人によって割合が変わる仕組み

相続人が確定すると、次に確認することになるのが法定相続分です。法定相続分とは、民法で定められた相続財産の取り分の割合をいいます。実際の遺産分割では、相続人全員が合意すれば法定相続分とは異なる分け方をすることもできます。しかし、話し合いの基準となるのは法定相続分であり、相続の基本を理解するうえで欠かせない考え方です。

なお、法定相続分は相続人が誰になるかによって変わります。つまり、「配偶者がいるか」「子どもがいるか」「父母が相続人になるか」「兄弟姉妹が相続人になるか」によって、それぞれの取り分は異なります。

配偶者と子どもが相続人になる場合

最も多いのが、配偶者と子どもが相続人になるケースです。この場合、配偶者の法定相続分は2分の1、残りの2分の1を子ども全員で均等に分けます。

たとえば、相続財産が3,000万円で、妻、子ども2人が相続人であれば、妻は1,500万、子どもたちは750万ずつという割合になります。

子どもが1人であれば、その子どもが残り2分の1をすべて相続します。子どもの人数が増えても、子ども全体で2分の1という割合は変わりません。

子どもがいない場合は父母と相続する

子どもなど第一順位の相続人がいない場合は、父母など第二順位の相続人が配偶者とともに相続人になります。

この場合の法定相続分は、配偶者が3分の2、父母が3分の1です。

父母が2人とも相続人であれば、父と母がそれぞれ6分の1ずつ相続します。
たとえば相続財産が3,000万円で、父母がともに健在であれば、妻は2,000万円、父と母で500万円ずつという割合になります。

父または母のどちらか一人だけが相続人であれば、その人が3分の1を取得します。

子どもも父母もいない場合は兄弟姉妹と相続する

第一順位、第二順位の相続人がいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。この場合の法定相続分は、配偶者は4分の3、兄弟姉妹は4分の1です。

たとえば、相続財産が3,000万円で、妻と兄・妹が相続人であれば、妻は2,250万円、兄は375万円、妹は375万円となります。

配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケースは、子どもも父母もいない場合に限られるため、それほど多くありませんが、実際には少なくない相談例です。

配偶者がいない場合

法定相続分は、配偶者がいることを前提に説明されることが多くあります。しかし、配偶者がいない場合は考え方が変わります。

たとえば、子どもだけが相続人であれば、子ども全員で相続財産を均等に分けます。父母だけが相続人であれば、父母で均等に分けます。兄弟姉妹だけが相続人であれば、兄弟姉妹で均等に分けます。
つまり、配偶者がいない場合には、その順位の相続人だけで財産を分けることになります。

法定相続分は遺産分割の基準

法定相続分は、必ずその割合で相続しなければならないという意味ではありません。相続人全員が合意すれば、一人が多く取得したり、特定の財産だけを取得したりすることも可能です。

たとえば、自宅は配偶者が取得し、預貯金は子どもが取得するといった分け方もよく行われます。そのような場合でも、話し合いを始める際の出発点となるのは法定相続分です。法定相続分という基準があるからこそ、相続人同士が公平性を考えながら遺産分割協議を進めることができます。

04亡くなった相続人に代わって相続する代襲相続

相続では、子どもがいれば子どもが相続人になるという基本的なルールがあります。しかし、亡くなった方よりも先に子どもが亡くなっていた場合は、どうなるのでしょうか。子どもが亡くなっているのだから、その人の子どもである孫には関係ない、そうではありません。

このような場合に適用されるのが代襲相続という制度です。代襲相続は、相続人となるはずだった人が相続開始前に死亡していた場合などに、その子どもが代わって相続人になる制度です。

代襲相続とは

代襲相続とは、本来相続人になるはずだった人が相続開始より前に死亡している場合などに、その人の子どもが代わって相続人になる制度です。

たとえば、父が亡くなり相続が開始したとします。本来であれば子どもが相続人になりますが、その子どもが父より先に亡くなっていた場合、その子どもの子、つまり亡くなった方から見ると孫が相続人になります。
これは、親が受けるはずだった相続権を、その子どもが引き継ぐという考え方によるものです。
代襲相続は、孫が特別扱いされる制度ではなく、本来の相続人の地位を受け継ぐ制度と理解すると分かりやすいでしょう。

子どもが亡くなっている場合は孫が相続人になる

最も多いのは、子どもが亡くなっているケースです。

たとえば、父が死亡、妻は健在、長男はすでに死亡、長男には子どもが二人、次男は健在という場合、長男は相続人にはなれませんが、長男の子ども2人が代襲相続人になります。
つまり、相続人は妻、次男、長男の子ども二人となります。長男が受けるはずだった相続分を、その子ども2人が引き継ぐことになります。

孫が複数いる場合

代襲相続人が一人とは限りません。
たとえば、亡くなった子どもに子どもが3人いれば、その3人全員が代襲相続人になります。この場合、亡くなった親が受ける予定だった相続分を、その3人で均等に分けます。

たとえば、本来長男が受ける予定だった相続分が2分の1であれば、その2分の1を孫3人で均等に取得することになります。代襲相続によって相続分が増えるわけではありません。あくまでも、本来の相続人が取得する予定だった割合を引き継ぐだけです。

代襲相続は兄弟姉妹にも認められる

代襲相続は子どもの場合だけではありません。兄弟姉妹が相続人になるケースで、その兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合には、その子ども、つまり亡くなった方から見ると甥や姪が代襲相続人になります。

たとえば、弟が未婚で子どももなく死亡し、父母・祖父母も死亡の場合は、兄弟姉妹が相続人です。この場合に、兄は死亡、妹は健在、兄には子どもが一人いるという場合、兄は相続人になれませんが、兄の子どもが代襲相続人となります。相続人は、妹、兄の子どもとなるのです。
このように、甥や姪が相続人になるケースは、兄弟姉妹の代襲相続によるものです。

子どもの代襲相続と兄弟姉妹の代襲相続の違い

代襲相続には一つ大きな違いがあります。
子どもの代襲相続では、孫だけで終わるとは限りません。孫も亡くなっている場合には、その子ども、つまりひ孫へと相続権が引き継がれることがあります。これを再代襲相続といいます。

一方、兄弟姉妹の代襲相続では、甥や姪までで終わります。甥や姪が亡くなっていたとしても、その子どもまで代襲相続することはありません。

代襲相続がある場合は家系を正確に確認することが大切

代襲相続が関係する相続では、誰が相続人になるのかを正確に確認しなければなりません。子どもは亡くなっているから相続人はいないと判断してしまうと、孫という相続人を見落としてしまう可能性があります。

また、兄弟姉妹が相続人になるケースでは、甥や姪が代襲相続人になっていることもあります。そのため、相続人を確定する際には、亡くなった方だけでなく、先に亡くなっている子どもや兄弟姉妹についても戸籍を確認し、家族関係を丁寧に整理することが重要です。

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